格安SIM事業者各社では音声通話の通話料金が安くなるプレフィックス番号を付加して通話できる専用アプリを提供しています。ただし、専用アプリを使う必要がありますが、今後は専用アプリなしでも通常の通話機能だけで自動でプレフィックス番号の付加が可能となるオートプレフィックスの利用が実現します。
プレフィックス番号とは
プレフィックス番号とは、音声通話を利用する場合、通信事業者が指定した番号を電話番号の前に付加して発信することで、通話料金を抑えて利用できる番号のことです。
国内の携帯電話の通話料金は、30秒あたり22円(税込)でと大変高額ですが、格安SIM事業者各社では、独自にプレフィックス番号を用意して、この番号を電話番号の前に付加することで、通話料金が最大半額で利用できるようになります。
プレフィックス番号を付加するには、携帯電話やスマートフォンの電話機能でプレフィックス番号のあとに、発信したい電話番号を入力する、もしくは、格安SIM事業者各社が用意しているプレフィックス番号を更かしてくれる専用アプリを提供しています。
例えば、BIGLOBEモバイルでは、専用アプリ「BIGLOBEでんわ」を使うことで、30秒あたり9.9円(税込)で通話することができます。
携帯電話通信大手3社は音声卸売料金見直し、プレフィックス番号を自動付与
事業者 | 1秒あたりの通話料 | 1回線の月額基本料 |
---|---|---|
NTTドコモ | 0.040849円 | 85円 |
KDDI | 0.055527円 | 83円 |
ソフトバンク | 0.052657円 | 88円 |
携帯通史大手3社の見直し後の音声卸売料金一覧
携帯電話通信大手3社は、2021年2月より音声卸売料金の見直しに着手しており、通話料金の見直し、格安SIM事業者へのプレフィックス番号を自動付与する取り組みを発表しています。
従来は、携帯大手3社から格安SIM事業者に提供される音声卸売料金は基本料金が666円、通話料が3秒あたり14円+中継設備卸売料金に設定されていました。格安SIM事業者では、音声付加料金として770円、通常の通話料が30秒あたり20円でとなり、事業者には基本料金で100円、通話料金で6円程度が利益として残ることとなります。
今後は、格安SIM事業者に対してプレフィックス番号を自動で付加することで、通常の通話機能だけで安く通話が可能になるほか、音声卸売料金の基本料金も85円程度に値下げが予定されている他、30秒あたりの通話料金も1.2円程度に値下げされます。そのため、利用者側の音声通話料金の値下げも期待されます。
NTTコミュニケーションズのOCNモバイルONEは2021年4月よりオートプレフィックスを提供
NTTコミュニケーションズでは、同社が提供している格安SIMサービスである「OCN モバイル ONE」において、2021年4月よりオートプレフィックスを提供開始しました。
従来ではOCNでんわアプリを利用することで、プレフィックス番号を付加した状態で電話が可能でしたが、今後は携帯電話やスマートフォンの通常の通話機能を利用するだけでプレフィックス番号が自動で付与され、通話料金が30秒あたり11円(税込)で利用ができます。
回線 | NTTドコモ |
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月額料金 | 音声通話付:550円(0.5GB)~ データ通信+SMS:990円(3GB)~ データ通信のみ:858円(3GB)~ |
最低利用期間 | 音声通話、データ通信ともに最低利用期間の定め無し |
プレフィックス番号を付与した各社の専用アプリの料金については以下の記事を御覧ください
格安SIM(MVNO)は、通話料金が割引となるプレフィックス番号を自動で付加してくれる通話アプリを提供しています。多くの場合、通常の通話料より半額になりますが、割引額は格安SIM各社によって少し異なる場合があります。今回は、格安SIM(MV[…]